2012年3月5日:京都大学依田高典研究室によるSciVerse Scopusを使用した大学研究開発力の調査が完了

京都大学依田高典研究室によるSciVerse Scopusを使用した大学研究開発力の調査が完了

京都大学依田高典研究室による
SciVerse Scopusを使用した大学研究開発力の調査が完了

―― 21世紀COEプログラムの研究成果促進に一定の効果を確認 ――

科学・技術・医学分野の学術出版および情報サービス企業大手のエルゼビア社(本社:オランダ、アムステルダム)は、2012年3月5日、京都大学大学院経済学研究科依田高典(いだたかのり)教授による、同社の学術ナビゲーションサービスSciVerse Scopus(サイバース・スコーパス)を使用した大学研究開発力の分析が完了したと発表しました。

依田研究室は、文部科学省の21世紀COEプログラムの研究成果を定量的に評価することを目的として分析を開始しました。8分野を対象に研究成果の促進効果を調査した結果、量または質の観点から、5分野において当該プログラムが研究成果の促進をもたらしたという結論に至りました。

「SciVerse Scopusでは各研究者に著者IDが付与されており、著者名と機関名との組み合わせで基本的な名寄せが可能です。この機能を元に論文リストを用意し、著者の協力を得て精度を高めたうえで分析を試みました。生命科学や医学のように、論文数、被引用数の両方で研究成果の促進が観察された分野がある一方で、研究促進効果が観察されなかった分野もあります。もちろん論文の出版や引用には分野ごとに研究スタイルに違いがあるため、今後の研究成果の評価においては、このような相違点も考慮する必要があります」と依田教授は述べています。

エルゼビアの研究評価製品担当ディレクターのNiels Weertman(ニールズ・ヴェールトマン)は、「この度の依田教授の調査分析に対し、SciVerse Scopusを通じてサポートができたことを光栄に思います。近年、研究活動の評価方法に対する学内外の注目が集まってきているため、弊社としてもより信頼性と利用価値の高いデータベースの開発を進めていく所存です」と述べています。

内閣府行政刷新会議ワーキンググループによる事業仕分け以降、科学技術予算の投資効果に対する国民の注目が集まると同時に、研究者側の説明責任の意識が高まっています。さらに、文部科学省は、客観的根拠に基づく政策形成の実現に向け、科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業を2011年度より開始しました。今後も研究活動の可視化および公正な評価に有効なツールや、評価指標に関する議論が続くと思われます。

調査方法の概要: 21世紀COEプログラムへの採択の有無により、研究者一人あたりの年間論文数の伸び(研究の量的指標)、論文一本あたりの被引用数の伸び(研究の質的指標)にどのような変化があったかを書誌計量学的手法を用いて統計的に検証。全8分野のうち、論文数、被引用数のそれぞれで統計的に有意な効果があった分野は以下の通り。

【論文数で研究成果促進効果が観察された分野】

生命科学分野伸び率23%
人文科学分野伸び率32%
医学系分野伸び率25%
機械・土木・建築・その他工学伸び率38%

【被引用数で研究成果促進効果が観察された分野】

生命科学分野伸び率16%
情報・電気・電子分野伸び率25%
医学系分野伸び率24%

21世紀COEプログラムは全11分野あるが、「学際・複合・新領域(2分野相当)」「革新的な学術分野」は学際的で分野の特定が困難なため割愛し、8分野を対象に設定。

全8分野の詳細については下記を参照ください:
依田高典・福澤尚美「21世紀CORプログラムの研究促進効果の実証分析」
http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~ida//4Hoka/21coe/coe.htm

# # #

プレスリリースEnglishプレスリリースpdf補足資料pdf

# # #

【京都大学依田高典教授について】
京都大学大学院経済学研究科教授。1965年、新潟県生まれ。1989年、京都大学経済学卒、1995年、京都大学大学院経済学研究科修了、博士(経済学)。その間、イリノイ大学客員研究員、ケンブリッジ大学客員研究員、UCバークレー校フルブライト研究員を歴任。専門は情報通信経済学、行動健康経済学。著書『Broadband Economics: Lessons from Japan』Routledge (Taylor & Francis Group): London、2009年1月 (日本学術振興会賞).『ブロードバンド・エコノミクス』日本経済新聞社、2007年3月 (日本応用経済学会学会賞、大川財団出版賞、ドコモモバイルサイエンス奨励賞)など。

【21世紀COEプログラムについて】COE(center of excellence):卓越した研究拠点
2002年度(平成14年度)から2004年度(平成16年度)まで三年にわたって公募された文部科学省による研究拠点形成費等補助金の助成事業で、助成期間は各拠点とも5年間。独立行政法人日本学術振興会が中心となって運営される21世紀COEプログラム委員会で審査・評価を実施。後継のプログラムはグローバルCOE。関連ホームページ: http://www.jsps.go.jp/j-21coe/

【SciVerse Scopus(サイバース・スコーパス)について】
SciVerse Scopusは、研究論文情報を幅広く網羅し、査読ジャーナルや良質なウェブソースを元にした世界最大級の書誌・引用データベースであり、研究活動のビジュアル化や追跡・分析が簡単にできるツールです。世界5000以上の出版社の19500誌を超える査読ジャーナルの書誌・引用情報が搭載されており、学際的な網羅性も確保されています。SciVerse Scopusは論文の引用情報だけでなく、ウェブ上の情報や特許情報などもシンプルな画面から検索可能です。研究活動の評価を目的とした利用も増えており、経済協力開発機構(OECD)、オーストラリア研究会議(Australian Research Council:ARC)、文部科学省 科学技術政策研究所(NISTEP: National Institute of Science and Technology Policy、ナイステップ)などに採用されています。SciVerse Scopusの詳細は:http://www.info.scopus.com または日本語サイトhttp://japan.elsevier.com/products/scopus/ をご覧ください。

【エルゼビアについて】
エルゼビアは、科学・技術・医学関連情報の製品およびサービスを専門とする、世界有数の学術出版社です。科学・医療コミュニティーとグローバルに連携して、The LancetやCellを含む2,000 誌以上のジャーナル、MosbyやSaundersの百科事典を含む20,000点を超える書籍を刊行しています。 電子製品のSciVerse ScienceDirect(サイバース・サイエンスダイレクト)、SciVerse Scopus(サイバース・スコーパス)、Reaxys(リアクシス)、MD Consult、Nursing Consultなどは、科学と医療の専門家の生産性向上に寄与しています。また、SciVal(サイバル)製品やMEDai's Pinpoint Reviewは、研究・医療機関向けに、コスト効率良くよりよい成果を提供しています。

エルゼビアはオランダのアムステルダムに本社を置き、社員7,000 名を抱えるグローバル企業です。エルゼビアは、世界でもトップクラスの出版社かつ情報プロバイダーのリード・エルゼビア・グループ(Reed Elsevier Group PLC)の傘下企業で、Reed Elsevier PLC とReed Elsevier NVによって共同保有されています。リード・エルゼビア・グループのティッカーシンボル(証券コード)は、REN(Euronext Amsterdam)、REL(ロンドン証券取引所)、RUK およびENL(ニューヨーク証券取引所)です。

【お問い合わせ】
研究内容に関するお問い合わせ:
京都大学大学院経済学研究科 依田高典研究室
Tel. & fax:075-753-3477
Email: ida@econ.kyoto-u.ac.jp ホームページ:http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~ida/

本プレスリリースに関するお問い合わせ:
エルゼビア・ジャパン株式会社 マーケティング 神田
Tel.: 03-5561-5034(代表) 03-5561-5069(直通)
Email: n.kanda@elsevier.com